東方二次小説

2XXX年の幻想少女第5章 人と妖の境界   人と妖の境界 第12話

所属カテゴリー: 2XXX年の幻想少女第5章 人と妖の境界

公開日:2019年11月21日 / 最終更新日:2019年11月21日

 雨を降らせるほどではない雲が空を彩り、秋の日差しがさんさんと降り注いでいた。絶好の行楽日和であり、家で穏やかに過ごすのにも快適そのものである。うじうじいしていたらそれこそお天道様に笑われようというものだ。
 ゆえにわたしは堂々と大地に立ち、天子を待ち受けていたのだが、早速の予想外が気を散らしてきた。
 今回の決闘は博麗神社の上空で行われるのだが、噂を聞きつけた者たちがいつの間にか集まり、食い物や酒を並べ、既に軽く騒ぎ始めていたのだ。
「ちょっとあんたたち、これは遊びじゃないのよ」
「分かってるって。でもさ、弾幕というのはどのような事情があっても酒の肴になるものさ。分かってるだろ?」
 そんな軽口を叩いたのはどんちゃん騒ぎの常習犯、伊吹萃香である。一時期は天子の協力者とも目され、それは結局のところ遠子の早とちりだったのだが、紫苑の暮らしている小屋を定期的に改修していたのだから事情を知らないはずもない。
「無関係のふりして騒ぐのは感心しないわね」
「関係があるからこそ騒ぐのさ」
 わたしの当てこすりを萃香はさらりと受け流す。
「霊夢も天子も、今回はちょっと真剣になり過ぎだ。この世界を変えるほどの出来事だって最終的には決闘と宴会で洗い流しちまおうってのが弾幕ごっこの良いところじゃないか。それを二人に教えるために、わたしはこうして酒を飲んでるんだ」
「まだ宴会をするには早過ぎると思うのだけど。わたしが負けたらどうする気よ」
「駄目だねえ、霊夢。駄目駄目だ」
 至極真っ当な指摘をしたはずなのに、萃香は息を巻いて駄目出しをしてきた。
「博麗の巫女は正しいし、勝利する。それは幻想郷における常識ってものだ」
「昔はそうだったかもしれないけど、今は違うのよ。わたしは……」
「自分に実力がないというならば余計に、勝って当然という顔をするのが大事なのさ。今の霊夢は良くも悪くも正直なんだよね。鬼のわたしからしたら好ましい特徴だが」
 萃香はぐいと盃の酒を飲み干し、にゃははと笑う。幼い姿も相まってあまりに犯罪的なビジュアルだったが、わたしにとってはすっかり慣れっこの光景だ。
「今更そんなことを言われても困るのよねえ」
「それも違う。決戦を間近にしての今だからこそできるアドバイスだよ」
 眉をひそめてはみたが、萃香の言葉は否定できなかった。勝ち目の薄い相手に挑むわたしに最も必要な心構えだったからだ。厄介払いをはぐらかされた気がしないでもないけれど。
「旧知が迷惑をかけるからね」
「これで神社でのどんちゃん騒ぎをやめてくれると、もっと助かるんだけど」
「それは勘弁願いたいものだし、わたしがいれば魔除けにもなる。今回は人除けと言うべきか」
 どういうことか問いかけようとしたところで、遠くから複数の足音が聞こえてくる。やれやれ、また宴会参加者かと思いながら視線を寄せ、思わず警戒の姿勢を取る。白色の衣に白色の仮面を身につけた何者かが境内に姿を現したからだ。しかも同じ姿をした輩どもが次から次へとやってきて境内の一画をたちまち陣取り、妖怪たちの酒盛りに敵意を向けてきた。
 化け狸の悪戯かとも思ったが、彼ら/彼女らからは妖の気配が感じられない。それでいて異様な雰囲気を漂わせており、正直あまりお近付きになりたくはない。
「なんなのよ、あれ」
「さあ、わたしは詳しいことを知らない。ただ、紫のやつに今日、神社で面白いことがあるから一騒ぎしてはどうかと勧められたんだ。そうしたら神社への道すがら、いつにも増して人の臭いが濃い。霊夢と天子が決闘をするというのは風の噂で聞いていたが、どうも裏で色々きな臭いようだ」
 わたしは改めて仮面集団に油断なく目を向ける。何人かは古臭い装束にそぐわないケータイを手にしており、実に手馴れた様子で操作している。紫の遠回しな配慮から薄々察してはいたが、あいつらは月光魔法教団なる組織なのだ。これまでは陰でこそこそと活動をしていたが、今日という日にいよいよ正体を隠さず、表舞台に出てきた。美真の話通りなら教祖にして凄腕の魔法使い、月野菫子なる少女がこの場にやって来るはずである。
 仮面集団のうち、誰か一人が菫子なのだろうか。教祖ならば耳目を集めていそうなものだが、特にそれらしく振る舞う人間は見当たらない。ここにはいないのか、それとも集団に紛れ登場する機会を狙っているのか。後者だとしたら不意打ちを仕掛けて来ることも考慮に入れなければならない。菫子は幻想郷外の人間であり、秩序を破ろうと画策する存在である。弾幕決闘の規則を守るとはあまり考えられない。
「心配しなくても騙し討ちなんて許しはしないさ。折角の酒が不味くなるからね」
 萃香がわたしの心中を察し、合いの手を入れる。これまで厄介な宴会の鬼としか把握していなかったが、味方につければ心強い。彼女一人でもただの人間相手なら余裕で無双してしまうだろう。
「鬼に説法かもしれないけど、あいつらの持つケータイのアプリは厄介よ。弾幕を展開できるし、空を飛ぶことだってできる。舐めてかかっちゃ駄目よ」
 念のために忠告しておくと、萃香は逆にほほうと目を輝かせ始めた。
「ケータイというのは紫の扱うような式を小さな板の中に収めてあるやつだよな。知識を拡大し、遠距離の会話を可能にし、魔法まで使えるとなれば、それは人間でありながら我々の側に近付いた新種ということになる。力のほどを是非とも見てみたいところだ。向こうから仕掛けてこないかな、そしたら思う存分に戦うことができるんだが」
 これだから鬼というやつは困る。どうにかならないものかと背後をうかがえば、山から時折やってくる仙人が目配せする。わたしに任せておきなさいということなのだろう。どういう関係かは知らないが、彼女は萃香の扱いをよく知っているから安心して任せることができたを
「と、軽口を叩く暇もなくなったようだ」
 萃香が空に目配せする。わたしははやる気持ちを抑え、ゆっくりと空を見上げる。青空においてなお青い天の人、比那名居天子は些かも動じることなくわたしの前に下り立ち、以前と同じように自信満々の笑みを浮かべるのだった。
 負けるなどとは微塵も考えていない。悩みを抱えていた時は心強かったが、いざ決闘となれば不安に苛まれずにはいられない。萃香のアドバイスがなければ、わたしは気圧されてしまったかもしれない。
「ふむ、先日とは見違えるよう。惑いながら常に先を見据える、それが博麗の巫女としてのあなたなのね」
「そんな大層なものじゃない。天子さんを相手にするなら後ろを振り返ってなんかいられないと思っただけよ」
 つい昨日まで盛大に振り返っていたが、今は棚に上げておくことにする。
「わたしの我侭に付き合わせてごめんなさいね」
「謝るくらいなら最初から女苑の案を飲んでおけば良かったのよ、異変なんて起こそうとせずに」
「それは言えてるわね、では、さっきの言葉は撤回しよう。わたしはわたしのやりたいようにやる、大事なものを救える可能性が最も高いと信じているから」
「わたしはその目論見を崩す。女苑さんの案が上手く行くと信じてるから」
「あの疫病神の案は不確かだった。霊夢はわたしと違い、彼女の案に手応えを感じたの? それとも根拠なく、ただわたしを止めたいだけ?」
 天子は戦いの前にわたしの心を挫こうとして来る。実力で劣るわたしが心まで飲まれたら、いよいよ太刀打ちできないと理解しているのだ。今日の天子さんはわたしに全く容赦がなかった。
 でもわたしだって追い詰められるだけのつもりじゃない。既に承知のことだとしても、どんなに甘いと思われようとしても、わたしなりの根拠を叩きつけてやるつもりだった。
「紫苑さんは天子さんが異変を起こし、幻想郷の逆鱗に触れて始末されるくらいならと、自分の命を投げ出そうとしたのよ。誰も犠牲にならない方法があるとしたら、それこそ本気になるに決まってるじゃない!」
「かもしれない。でもね、あの子のダメなところ、わたしはずーっと見てきたのよ」
 わたしが必死に訴えても、天子は心を動かされようとはしなかった。それどころかわたしをやんわり窘めようとするほどだった。
「いくら甘やかしても厳しくしてもにへらと笑うだけ。刹那的で、努力が嫌いで、なのに僻みっぽい。一言で表せば心が貧しいのよ。わたしもさ、信じてあげたいんだけどね。やっぱ、失敗して頑張れなかったときのこと、考えてしまうわけよ」
 素っ気なく語ろうとはしているが、万感がこもっていた。肩が微かに震え、表情が僅かにぎこちない。平気で振る舞おうとしているが、怖いのだ。紫苑を喪うくらいなら異変を起こし、自分はいなくなっても良いと思うくらいには。
『この世にわたししか知らない、何よりも輝く星を見つけてしまったとしたら』
 女苑の口にした言葉の重みがずしりとのしかかってくる。わたしには世界を敵に回してまで守りたいと思う個人などいない。少なくともこれまではそうで、きっとこれからもそうだろう。わたしは自分をそこまで情の強い人間とは考えていない。
「紫苑の成功をもう一度だけ信じる気にはならないの?」
 でも、誰かの努力なら信じることができる。わたしは決して才能の塊ではないが、いくつもの教えを受け、力と技を磨き上げ、厄介な問題を解決してきた。そんなわたしを少しだけでも信じることができるからこそ、自分の命を投げ出そうとまでした紫苑を信じてあげたいと思うのだ。
「残念ながら、今のままでは無理ね」
 信じられないと言われたら終わりだった。でも、天子は今のままでは、と口にした。それはつまり宗旨替えの可能性があるということだ。
「だから霊夢との決闘を受けたの。真実を知りながらなお紫苑を害さず、異なる道を進もうとするその信念の強さをわたしに見せて頂戴。もしもこれからの闘いでわたしの意志を挫くことができたならば、己の企てを放棄すると約束する。ただし、それは容易ではない道、天道の更に上を行く困難であると心得なさい」
 天子は柄だけの剣を手にし、無言のまま空に昇っていく。もはや言葉を交わす段階にはないということであり、ようやく決闘のスタートラインに立てたということだ。
 だが、これから先に待ち受けるのは更なる困難である。わたしは腰に下げていたお祓い棒を手にすると一呼吸置き、天子を追って空に昇る。ここに現れるはずの美真と菫子がともに姿を見せないのは気になるが、今は目の前の相手に集中する。地上の怪しい集団は弾幕を酒の肴にどんちゃん騒ぎを目論む奴らに任せるとしよう。
 天子と同じ高さまで辿り着くと、わたしはお祓い棒をしかと構える。
「さあ、かかってきなさい。最初から全力でね」
「言われなくても!」
 わたしは初っ端からお祓い棒に霊力を注ぎ、白い刃となして斬りかかる。だが、天子は安易な接近を許してくれなかった。周囲に注連縄を巻いた巨岩が出現、それぞれに短期的な直進と停止を繰り返しながら、こちらに迫ってくる。要石を操って相手を翻弄する、天子の得意とする攻撃の一つだ。稽古をつけてもらっていた頃に見たことはあるが、あの時は速度も遅く動きももっと大雑把だった。
 そして何よりの相違点、あの時の要石は弾幕など撃ってはこなかった。
 だが、この空を飛び交う要石は先端から紅白の弾を放ち、逃げ道を的確に塞いでくる。結界を展開して防御したくなるが、立ち止まれば物量であっという間に押し切られる。ここはひたすら前に進み、天子に肉薄するしかない。
 歯をぐっと噛みしめ、一気に五速へ、更にもう一つ歯を叩いて最高速まで一気に身体強化をかける。目眩がするほどに視界が広がり、弾幕が空気を割く微かな音さえも耳を打ち、空の匂いと弾幕の匂いが鼻をつく。
 複数の感覚で同時に空間を捉え、四方八方から迫り来る弾幕を次々にかわすと小刻みな移動でこちらを翻弄しようとする要石の排除にかかる。まずは近くを飛んでいる要石に追いついて一刀……では僅かに足りず、二撃で石が砕け散り、その機能を停止させて地上に落下していく。かつての練習用とは耐久力も桁違いらしい。
 お祓い棒に込める力を増すと、二つ目を今度は一刀で叩き割る。天子の要石を攻略できる手応えはつかんだが、加速と感覚の拡張、お祓い棒への霊力供給でみるみる力が吸われていき、否が応でも急きたてられる。巫女になってからの五年近くでわたしの力も随分と増したし、力の割振り方も心得たが、それでも長くは保たないだろう。わたしは迫りくる焦りを押し殺すと要石を次々に薙払い、生じた僅かな間隙を縫って天子の懐に潜り込もうとする。
 天子は柄だけの剣に赤い刀身を滲ませ、加速の乗ったわたしの残撃をやすやすいなし、受け流すと次撃を胴に撃ち込もうとする。辛うじて受け止め、鍔迫り合いに持ち込むもあっさり押し返され、打ち合いでも手数を同じに保つのがやっとだった。最高の速度で攻撃に全振りしてなお、押されないようにするのが精一杯だった。秘策など試す余裕も隙もない。分かってはいたが、天子は本気になればわたしなど鼻でもあしらえるほどの実力者なのだ。
「剣の腕も霊力の使い方も、格段に上手くなってる。余程の修羅場をいくつも潜ってきたのね」
 そして天子にはわたしに声をかける余裕すらあった。わたしは荒れる呼吸を整え続けることしかできないのに。
「でも、それではわたしに届かない。異変解決の巫女、我が愛弟子、勇敢なる決闘者よ。お前に天道を越える術はあるか?」
 それでもわたしは壁など超えて当然とばかり。
「もちろんよ!」
 裂帛のかけ声とともに、お祓い棒に組み込んだ符を発動させる。刀身が一回り膨らみ、霊力がより凝縮された刃は天子の残撃を弾き飛ばし、その身を一瞬だけよろけさせた。
 すかさず二つ目の符を発動、夢想封印が至近距離で発射され、濃い霊力の塊が六発、次々と天子に襲いかかる。だが隙をついてなお直撃することはなかった。天子の剣は神業的な速さで夢想封印の光を次々と切り裂き、細切れにし、それでも追尾してくる小片を「喝!」の一声、全身から発せられる気質によって一気にかき消す。
 だが、こちらもまだ前段階だ。先に発動しておいた一つ目の符が完全に発動し、お祓い棒にはちきれんばかりの霊力が集中する。これを最大まで強化した身体能力によって。
 全力で天子に投げつける。
《霊符『お祓い棒乾坤投擲』》
 紅魔館の吸血鬼の真似ごとだが、わたしに制御できる最大火力がこれだった。全てを一点に集中し、敵を穿つ。武器を手放すのだから危険もひとしおだが、リスクを避けてどうにかなる相手ではない。
 夢想封印を捌ききったばかりの天子に間髪入れず、霊力の集中したお祓い棒が直撃……したと思ったが、辛うじて赤い刀身が正面から受け止めていた。赤い気質と白い霊気がぶつかり合い、火花のようにぱちぱちと煌めく。地上から見ればさぞかし華やかなのだろう。
 赤い刀身は徐々に膨らみ、お祓い棒の霊気を打ち消しにかかる。このままでは凌ぎきられてしまうだろう。
 もう一撃、後押しする必要があった。そして、魔理沙がわたしに授けてくれたアドバイスを発揮するときだ。格上の相手なら臆面なく、敵を倒すまで符を撃ち飲み続ける。三連打は流石にきついが、ここが正念場だ。もう一撃だけ力を捻り出すため、改めて精神を集中させ、力の発動を宣言する。
「博麗の名において命じる。猛き妖の力、夢の如く散るべし!」
 そして宣言は霊力を凝集させた六つの塊を生み、わたしの周囲に展開される。
《霊符『夢想封印』》
 いつもは相手を追尾、撃破する代物だが、この符だけは追尾能力をカットしてあり、直線軌道でわたしが定めた方向に飛んでいく。そして狙いは天子が受け止めているお祓い棒だ。
 ノミに槌を打ち、石を割るように。
 お祓い棒の上から夢想封印の衝撃を打ち込む。魔理沙が授けてくれたもう一つの策をわたしなりに表現したものだ。
 天子がこちらのやろうとしていることに気付き、慌てて離脱しようとするが、お祓い棒の威力は未だ健在であり、その身を釘付けにして逃れることを許さない。
 次の瞬間には霊力の塊がお祓い棒に一斉着弾、衝撃と霊力を積み重ね、これまでにないほど目映く炸裂する。赤い刀身はかき消え、天子の周囲が白一色に包まれた。
 脱力しそうになるのを堪え、わたしは光が徐々に収まっていく様をじっと凝視する。二つの符の合わせ技にして、わたしが出せる本当に最高の一撃。これに耐えられたらもう、わたしには打つ手がない。
 光が晴れ、煙も晴れ。目の前には服がぼろぼろに破れ、息も絶え絶えな天子の姿があった。全ての余裕が消えてなくなり、苦痛を必死でいなしていた。だが、決着がついたわけではなかった。失われた刀身に再び赤い光が灯り、健在であることを見せつけたのだ。
 赤い刀身は煙のように揺らいでおり、天子も限界に近いのかなと楽観的な希望を抱こうとした。もしそうならわたしの僅かな力でもまだ渡り合えるかもしれない。
 だがすぐにそうでないことが分かった。刀身が揺らいだのは剣の形を外れようとしていたからだ。より強い力の奔流がいまやわたしの所まではっきり伝わってくる。
 今から放たれるのは比那名居天子の本気の力だ。
「我が身を覆う人の気質よ、荒ぶる奔流となりて」
 もはや状況は絶望的だが、まだ微かな望みはある。もし天子の全力をかわしきることができたなら。大技の消耗の隙をついて形勢を五分に持ち込めるかもしれない。
 わたしは天子の力の源をじっと見据える。何か攻撃が来たら素早く逃れるつもりだった。
「眼前の敵、悉くを討ち滅ぼさん!」
《『全人類の緋想天』》
 視界が一気に赤く染まり、慌てて上空に昇る。一瞬後、凄まじい気を含む緋色のレーザーが真下を通過していき、わたしは思わず唾を飲んだ。直撃していればただでは済まなかっただろう。
 微かな安堵はしかし、迫り来る緋色の光によって瞬く間にかき消される。あれだけの威力を持つ気の塊を、天子は鳥の羽でも扱うように軽々と持ち上げてきたのだ。更なる上空へ逃れようとしたが、一瞬の判断の遅れが致命的だった。緋色の気の塊はそのことをあざ笑うよう、一気に駆け上がり。
 わたしの全てを飲み込もうとしていた。

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