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オリジナル小説逆運の神子第一章 神の子   神の子 第7話

所属カテゴリー: 逆運の神子第一章 神の子

公開日:2017年06月29日 / 最終更新日:2017年06月29日

序章 神の子



こうなるだろうと覚悟はしていたけれど、いざ開けてみたら想像以上だった。
「見てくださいよお嬢様。あそこに見たこともない小さな猿がいますよ!」
「あっ、モウワシがこんなところに! 天然ものを見るの初めてです!」
「おおー、あれが関所の狼煙台ってやつですね? 思ってたよりも小さいかも」
 苦手な馬の隣に侍らせておけば、少なくとも銅鑼にはならないと踏んでいたのに。銅鑼はおろか、鏑矢並の――それも連射型の――五月蠅さであった。もう「鈴っ子」なんて渾名は、相応しくないと言わざるを得ない。「喧噪娘」にでも変えるべきだ。軽く打てば美しい音色を出す「鈴」の名を薫にやるのはもったいない。
「噂に違わぬ騒々しさだな」
 隊列の先頭を行く平蔵が、周囲の嘲笑を誘うようにわざとらしくそう言った。苦り切った顔を半分だけこちらに向けて(表情は芝居ではなさそうだ)。
「好きなときに好きなように国境を行き来できる貴方とは違って、薫は国はおろか、里から出る機会も滅多にないからね。しょうがないでしょう」
 一応、こちらの非を和らげるために反論はした。が、いかにも苦しい言い分だ。
 でも救いはあった。風祭平蔵に同調する者は、彼の商団の下々には一人としていなかったのである。嘲笑うどことか、むしろみんな私の肩を持ってくれた。薫は悪くないとかばってくれた。おかげで鼠野郎の見下した目も、たいして気にせずに済んだ。
 しかし、どうして私がこんな目に遭わなければならないのか。
 両目に不満を宿して元凶を睨むと、逆に、兵部の権威さえ怯むような幼い笑みに、真っ向から返されてしまった。
「すごいすごいっ! ほらお嬢様、あそこに武装した門番がいますよっ。本当に頭にかぶりもの載せてるんですねえ」
 その門兵に対して、指をさしてけらけらと笑っていられる薫の神経が末恐ろしい。ふつう、兵士って怖いものじゃないのかしら。
「ありゃあ将来女傑になるぞ」
「さっすが、鬼婆(おにばば)の子分だけはあるねえ」
 等々が、商団員さんたちの声だった。
 私の感性はおかしくない、一般的だということに安心感を覚えながら、一団のどやどやに紛れて関所の前門をくぐる。いったん馬から下り、不慣れな薫に代わって記帳台での書類作りはすべて私が行った。
「そんな細かいことまで書かなきゃいけないんですね」
 意外そうな口ぶりだったので、「国越えをしようというのに、そんなお気楽に考えていたなんてね」と同じ調子で返した。
 騒音が爆ぜる前にと、続けざまに書き上げた証書を持って、担当官に話しかける。
「高間国の要請で出国することになったのですが」
「小国宰様から話は伺っておる」
 兵装に身を包んだシワの濃い肌黒の中年男性が、証書を片手に小さくうなずいた。「やれやれだな、央都の連中は」
 小国は全部で七つ。現在の政の体制が敷かれてから、「都」と呼ばれるものはなくなった(確か二百年以上前)。でも私たち他国の人間は、全土の中心にある高間国のことを都と呼んでいる。中央に鎮座し、古にあっては王と呼ばれる存在を戴いていたという、都のごとき機能を有する国。だから央都(おうと)、と。少しの羨望と、多くの蔑みを込めて。
「開催国ですし、それだけ責任も負っているでしょうから」
「責任、ね。どうだかなぁ」
 老練な印象を受ける担当官の戯笑に、私も付き合って口端を持ち上げた。
 高官を始め、最大の市場や、最高の兵部などの様々な利権を抱えていながら、かの国はとにかく責任逃れが巧い。各国の特色をあげる際に、必ず揶揄されるくらいには。政の中心地だからなのか、癒着が蔓延しているからなのか、とにかく自国が不利益を被ることが極端に少ない。まるで古の王のように。それを踏まえての発言だろう。
「おっと、役所勤めの俺がこんなことを言っていちゃいけないな。仕事仕事」
 邪気を抜いて、三枚綴りの証書を順繰り捲る。薫の分も手際よく。
「結局、衛士はつけないと」
「そう遠くはありませんし、地図もいただけたので。人員は風祭商団の方に割いた方がいいだろうという判断です」
「ま、女だけの二人旅といっても、神子さまの旅だ。そこらの雇われ衛士をつけても、きっと足を引っ張るだけだろうから通行は許可しよう」
 ただ、とシワの彫りをきつくさせて、
「ご自身のみの出国は初めてだとか。道中、いや高間国に入国している間も、細心の注意を払ってもらわねばならん。物盗りは言わずもがな、拐かしもあれば騙詐(へんさ)なんかもある。極力人を信じず、常に有事に備えておくこと」
「はい。肝に銘じます」
 寂しい話だが、悪人にとって旅人とは、歩く金貨と変わりがない。金貨が歩いていたら――落ちていたら当然、手に入れてしまえとなる。盗られたくなきゃ、わざわざ出歩かなきゃいいんだ。そう考える者たちのなんと多いことか。
「しっかし、衛士が信用ならんというなら、わしらより格段に強いお父上さま本人が出張ってくれてもいいと思うんだが。最近は本当に物騒だしなぁ」
「治安が悪くなってきてるってことですか?」
「んー、それもあるにはある。だがそれ以上に、頭の中身が少々厄介な連中が増えてきたことによる影響のが大きいな」
 頭の中身?
 なんだそれは、と訝しんで見つめると、彼は鼻から息を吐いて肩をすぼめた。
「おっと。歳をとると、どうにもお喋りになっていかん。今のは忘れてくれ。単なる年寄りの世間話だ」
「えっ、でも」今更そんな。すごく気になるんですけど。
「こう見えても職務中なのでな。申し訳ない」  
 彼は書類で塞がっていない方の親指を立てて、背後にそびえる建物に向けた。
 白くて立派な、石造りらしき高見台。それが本門を構える壁面の頂上に設置されている。中には三つほどの人影と、鐘らしき金物の姿があった。
「下っ端は何かと辛いのだ」 
「……の、ようですね」
 きっとあそこに、彼の上司がいるのだろう。ここの責任者かもしれない。どちらであるにせよ、あの高みから部下を監視していることに変わりはなさそうだ。手を抜いていないか、下手を打っていないかを事細かに記録して、査定などに盛り込んだりもしていそう。
「手続きは以上」
 彼は担当官らしく、声を張って威厳を示した。「通せっ!」
「はっ」
 号令一下、門兵たちが一斉に開門作業へと取りかかり始める。左右に二人ずつ別れ、閂を抜き、身体全体を使って木扉を押していく。なんとも重たそうに。
「すごいですねえ」と薫。「わたしなんかじゃ、びくともしなさそう」
「さっき通った入り口用の前門と違って、この本門は賊の侵入を防ぐための門だから、それなりに頑丈に作られていると聞いたことがあるわ」
 関所には、合計四枚の門扉がついている。夜間以外は常時上がりっぱなしとなっている格子造りの前門と、越境者の身元確認がとれるまで不開(あかず)を貫く厚木の本門とが。国境を越える際は、どこに行ってもこの前門と本門の間に挟まれなければならない。行きに二度、帰りに二度。面倒ではあるものの、関所はひとつの街だ。入るにも出るにも調べを行わなければ、保安を保てなくなる。
 それにしたって、開閉は都度でなくてもいい気がする。門兵を配置しているのなら、開けっ放しにしておいてもさしたる害はないだろうに。何かできない理由でもあるのかしら。
 聞いてみたかったけれど、仕事中だと言われたそばから聞けるほど私は非常識でもない。諦めて、するすると門をくぐった。
 と、関所の中の街に足を踏み入れるや否や、薫が甲高く鳴いた。
「うわーっ、すすっ、すっごーい!」
 どこが凄いのか少しもわからない、何の変哲もない街並みが、視界の限り広がっている。連なる家屋の背はどれもうちの里のものより高く(ちょっとした工場くらいの高さ)、それに色合いがとても鮮やかだ。関所街だからか、厩の数も見るからに多い。
 でもこれらを除けば、どこの国でも観られるようなありふれた景観だった。騒ぐほどの美点も見当たらないし、商活動が盛んなわけでもなければ、道を行き交う人々の数が多いというわけでもない。残念ながら。
「ちょっと薫。急に大声出さないでよ。馬が驚くじゃない」
「あ、すみません」
 ちっとも済まなさそうに頭を下げる。
 で、やっぱり反省の色なく、
「あれが昨日、お嬢様が話してた旅籠並町(はたごなみまち)ですか」
薫が指をさした先の一帯には、黒々艶々とした木造りの、いかにも格式が高そうな平屋が建ち並んでいる。入り口に垂れ下がる等身大の暖簾が邪魔をしていて、外から中をうかがうことはできない。
「そうよ。私らのような銭無しには無縁のね」
「銭無しってほど貧乏はしてないと思いますけど」
 物欲しそうに見つめるばかりとなってしまった薫に、もう何度目になるかわからない釘を刺した。
「あのねえ。立派に貧乏してるでしょう、私らは。旅費すら自分たちで賄えない身の上なんだから。ここで使っちゃったら、高間国では野宿よ? 自分の手持ちで泊まるというなら、どうぞごゆっくり」
「わざわざ意地悪く言わなくたって、わかってますよ。それくらい」
 でも、と恨めしそうに歪めた顔面を向けてくる。「鼠大将のところの坊ちゃまは泊まれて、どうしてお嬢様は泊まれないんですか」
「あっちは商団を組めるくらいの大商人だから、懐に余裕もあるんでしょう。それに小国宰様も後からいらっしゃって、商団と合流されるから」
 旅籠屋なんて設えは基本、お上が使うところであり、一般人が気軽に利用するところではない。それだから非常に高価でもある。一泊で薫を一月養えるくらいに。
「お嬢様は商人よりも偉い神子様じゃないですか。そりゃあ稼いでる金額は向こうのが多いかもしれないですけど。それなら相手方と一緒に逗留なさって、行き先は違うかもしれないけれど、一日だけここに留まって、小国宰様とお会いしてから出発しても遅くはないんじゃ……」
「それこそ無駄な時間と出費じゃない。そういうのを浪費と言うのよ」
「浪費? 浪費ですか? 安全なところに泊まるのが浪費? そうですか。またそういうことを言うんですねお嬢様は。ええ、ええ。わかってますよ、もう」
 ぷりぷりと怒りながら、手綱を強く引っ張り出す。あんまりにも強引に手繰るので、馬が抗議するようにぶひんと荒い鼻息をたてた。
 ちょっと身構えた。大の苦手である馬に、間近でこんなことをされたら尻餅をつくくらい――腰を抜かすくらい驚いて、私のせいだと喚き散らかしだすに決まっているから。中耳が砕けかねない強烈な破壊音を発生させてくる光景が目に浮かんでくる。
 ところが、鈴は鳴らなかった。銅鑼も打たれなかった。仰天してひっくり返るでもなく、当の薫は、なんでかしら毛ほども怯えていない。むしろ全身に活気を漲らせ、揚々と前に進んでいく。天敵であるはずの相手に、さっさと歩けと促すように。
 もしかして。もしかすると薫さん、本気で怒っちゃった?
 艶やかな黒。最高級をあらわす色。私の髪と同じ色。凡夫を遠ざけるその色に染め抜かれた旅籠屋を、薫は、見えていないとばかりに通過していく。出立前に「寄ってみたい」と目を輝かせて語っていた装具屋にも、店先で芳ばしい鶏肉の焼けた匂いを漂わせている料理屋にも目をくれず、私を乗せた馬を引きずるように伴わせて、ひたすら突き進んでいく。
「ちょ、ちょっと薫?」
 止まらない。呼びかけてみても、制止を促してみても、頑として止まらない。無視の仕方がいやに父上と似ている。なら、説得も不可に違いない。平蔵に言伝しなきゃいけないことがあったのに。
 出口側の関門まで来た。早く手続きをしろと目で訴えられたので、その通りにする。
 お松さんは「動」の怒りが怖いが、その弟子の薫は、どうやら「静」の怒りが怖いらしい。新しい発見だった(したくなかったけど)。
 入り口側の担当官よりも見るからに貧相でやる気のなさそうなおじさんから許可を得て、ぼんやり外へと出る。一門潜ったくらいじゃ景色も代わり映えなんてしないし、そりゃあ薫さんの機嫌も直るはずがなくて、結局、むっつりとした時間を再び過ごす羽目になった。せっかく関所を越えてよその国に入ったというのに、感慨や喜びなども得られないまま虚しく南下を目指す。
 しかしまあ、日頃あれだけ疲れた疲れるなどと文句を垂れているわりには、体力がある。くつわを取りながらであるにも関わらず、歩みが途切れない。いかにも旅慣れしている体である。たいていの子女は、半刻も歩けばへたばるのだけれど。
 どのくらい経っていたのか、林道を進んでいたら、不意に「ひょーひょー」という鳴き声が聞こえてきた。ため息をつくような、気の抜けるような形容しがたい鳴き声。聞き覚えもない。蹄の音ばかりを耳にしていたのも相まって、とても奇妙な心持ちになる。
 どんな生き物かしらと視線を巡らせてみても、それらしき影は見当たらなかった。どこもかしこも木々と枝葉ばかりで、鳥の一羽も見つけられない。馬上から見下ろした限りでは、地面にも動物の影はなかった。
 代わりに、空を仰いだ際に、太陽を見つけた。思った以上に高い位置にいる太陽を。
 すでに真昼をまわっているようだ。
「そろそろお昼にしましょうか」 
努めて優しく話しかけたつもりだったのに、無視された。徒然と馬を引くのみで。
 もう一度声をかけて、諦めた。まだ怒っているのか。それとも意固地になっているのか。単純そうで難しい娘だ、薫は。
 歩く歩く。
 揺られる揺られる。
 単調な繰り返しに飽いていた中途、
(――あれ?)
 何かが弾みになって、なんとなしに気がついた。
「薫?」
 呼びかけても応じない。無視を決め込み、先を行く、さっきから一貫した姿勢。
 それもそのはず。
 憑かれている。
 いったいどこでもらってきたのか。これほど間近にいながら、霊気を寸毫(すんごう)も察知できなかった。霊視によって、ようやく異物の輪郭が掴める程度の幽かさである。
こういう有るか無いかの霊体を「幽霊」と呼び、人や動物などに乗り移ったやつを「憑依体」と呼ぶ。れっきとした霊体であるのに、霊気が微弱すぎて気脈の弦にさえ引っかかってくれない。おかげで意識していないと感づけない場合がほとんどであり、こんな風に霊力を動員し、目を凝らして神経を集中させなければ視ることも叶わないという、大変面倒で迷惑な存在だ。前に祓ったギョクエンより、よっぽど。神子である私からしたら。
 さて、どんな霊が入り込んだのか。
 明かしてやりたいとは思うものの、私にはその手段がない。霊視ができたとしても、そこに霊がいると――霊体があると認められるだけで、性質を解析したり、念で会話を試みたりするだけの技能などは持ってはいない。
 従って、ここは素直に祓うことにする。
 憑依体に気づかれないよう、神氣の出力を最小限に絞り、毛髪の一本に馴染ませる。
 たちまち針より細い、けれど針と同じだけの硬さを持った一髪となった。
 烏髪の武器化――。これぞ黒髪家のお家芸。
 神氣を流せば、ある程度なら自在に形を変えられる。形だけでなく、硬さも長さも調整できる。髪質と氣質によって得手不得手がはっきりと別れる、我が家の神子だけが発現できる異能。烏髪と神氣の両方を一揃いで有するからこその。
 私の場合、髪に少々の癖がある。神氣はまだ未成熟で、特性の開花にはいたっていないけれど、少なくともこんな風に針を作って突っ突くだなんて器用な真似を得手とするような特性ではないと言い切れる。こんな、父上の得手とするような特性では、絶対にない。
(ちょっと我慢してちょうだいね)
 これから行う刺突行為を心の中で詫びて、毛針(もうしん)の尖端を薫の腕に向ける。
 少しでも集中力を欠くと、あっと言う間に霧化してしまうであろう神氣に気を遣いながら、髪一本を伸ばしていく。手綱を堅く握りしめている薫の手甲を見据えつつ。
 ここからなら、と思える位置で、ひとまず髪の延伸を止めた。
 しくじれば、取り憑かれている薫が危ない。いくら希薄な存在であっても、自我を失って彷徨っているだけの存在であっても、相手は霊体だ。魂や精神を侵すことのできる厄介者だ。慎重にも慎重を期し、付け入る隙を与えないようにしなくては。
 唾を飲み込んで、呼吸を止める。右胸の擬似心臓も併せて。
 気づかれていない。いや、気にもしていないのか。薫の身体を動かすのに夢中になっている?
 それならそれで好都合。
 意を決し、呼気とともに神氣を爆発させた。
 絎針(くけばり)の如き姿容をした一本の髪の毛が、内なる爆風によって吹き飛ぶ。枝葉の影を穿ち、突き抜けていくように狙いへと驀進(ばくしん)していく。
 その一髪が木漏れ日に曝されるのを目にした瞬間、
「ぎゃっ!」
 薫は右腕を大きく振り上げ、女の声とはとても思われない嗄れた声をはき出して、辺り一面に木霊させた。次いで、ばたんと顔から倒れ込む。
「か、かおる……?」
 ひんひんと鳴き喚く馬の首筋を撫でてやりながら、地面に突っ伏す薫を観察した。
 動かない。私の髪に刺され、神氣を送り込まれたであろう右腕を掲げたまま。いかにも痛そうな倒れ方だったけれど、怪我とかしてないかしら。
「薫?」
 神氣は妖怪を打ち倒すほど強力だが、だからといって人体に害があるわけではない。霊気に神性が加わっているようなものだから、妖怪の血なんかが混じっていなければ、よっぽど害になることはないはず(強すぎるために副作用は出ることがある)。
 となると、力加減が誤っていたことに……。
「ちょっと。薫?」
 怒り気味に呼びかけて、それでも起きる気配のない薫の背中を見ていたら、不意にとある端緒をつかむに及んだ。
 そうだ、おとなしくなっている今のうちに移動してしまえ、と。気を失っているなら馬も怖くないでしょう。
 さっそく烏髪全体に神氣を送って、髪を伸ばす。薫を抱きかかえられるまでに成長させて房を二つ用意し、左右から挟み込んで持ち上げる。包んだ腹部が下になるよう、鞍の空いたところに落ち着かせると、手綱を引いて馬を急き立てた。
 神氣を流し続けるこの状態を維持するのは、とんでもなくつらい。一刻も早く高間国に行き着かなくては。色んな誤算のせいで、野宿になりかねない状況でもあるし。
 急げ、急いでちょうだいと幾度も念じ、私は馬の腹を蹴って長い林道を駆った。

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